Google Enterprise Day 2011レポート!Googleのクラウド戦略「100%WEB」とは

7月20日に、Googleが企業ユーザーを対象にしたイベント「Google Enterprise Day 2011 Tokyo」に参加しました。
100名以上が参加した大きなイベントで、一日がかりのイベントでした。
Googleのクラウドを中心とした企業向けのソリューションの紹介を行うものですが、企業向けといっても私達のような小さな会社や個人事業にも必要な情報が満載でした。
なにしろ、Googleが今後向かおうとしている世界について、インターネットで仕事をしているユーザーは知っておかなければなりません。
「100%WEB」というGoogleのクラウド戦略を表すキーワードと共にイベントの内容を簡単にシェアしたいと思います。
注:イベント自体は、企業向けということで、Google EarthやMapsなどの地理空間ソリューションのサービスの紹介もしていましたが、この記事では割愛します。
この記事を見ている人は、まずは「Google Apps」からというところでしょう。
Google Appsとは、独自ドメインでいくつかのグーグル製品を使えるようにする、グーグルによって提供されているサービスである。Google Appsには従来のオフィススイートに似た機能を持つ、Gmail、Googleカレンダー、トーク、ドキュメントやサイトといったウェブアプリケーションが含まれる。
無料で利用可能なStandard Editionのメールボックス容量は、通常のGmailアカウントと同じである。[1] 25GBのメールボックス容量を提供するPremier Editionの利用料金は、アカウントにつき年間50USドルである。教育機関やNPO向けに無料で提供されているEducation Editionは、Standard EditionとPremier Editionの機能が組み合わされている。
(Wikipediaより引用)
他には、システム環境を提供するGoogle App Engineなどもシステム構築を考えている方には、注意すべきソリューションですね。
キーワードは、100%WEB
基調講演には、Google Enterprise グローバルセールス&ビジネスデベロップメント担当副社長のアミット・シング氏が登壇。
100%WEBがGoogleの戦略であり、重要なキーワードとのことです。
では、100%WEBとは、何か?
簡単に言うと、すべてをWEB上で実現する世界!そして、Googleがそのプラットフォームを提供するというものです。
もう少し具体的に言うと?
「すべてをWEB上」だけだと、いまいちイメージがつかないかもしれません。
そこで、簡単に説明するために、WEB上に置くものをデータとソフトウェアという二つの切り口で考えたいと思います。
その1「データの100%WEB」
例えば、皆さん自分のPCに様々なデータを保存していると思います。
エクセルファイルやワードファイル、または写真や動画もあるかもしれません。
これらのデータは、すべてPC、またはそれぞれのスマートフォンなどのデバイスの中に保存されているます。
ですので、自宅にいて、会社のPC内にあるデータが必要なときには、会社に出社しなければなりません。
また、他の人とファイルのやり取りをしていると、「修正版」、「修正版その2」といった感じで沢山のファイルを送らないといけなくなります。
自宅のPCで編集したものを会社にメールで送って、翌日、会社でメールを開いて会社のPCに保存するなんてこともしているかもしれません。
100%WEBの世界では、すべてのデータがWEB上にありますので、必要なデータをどのデバイス(自宅PC、会社PCさらには、スマートフォン、タブレット関係なく)でもブラウザがあれば、閲覧・編集・削除が可能になります。

デバイスや場所に関係なく、どこからでも自分の全てのデータにアクセスできる状態
社内のメンバーとも共有してリアルタイムに共同編修することも出来ます。
(みんなにメールでエクセルファイルを送ってもらって、担当者がそれぞれのデータをまとめる必要もなくなります。)
その2「アプリケーション(ソフトウェア)の100%WEB」
データがWEB上にあるのは、理解してもらえたと思います。
ただし、データがWEB上にあるだけでは、オンラインストレージと変わりません。
自分のPCで作ったファイルをWEB上にアップして、別のPCでダウンロードして作業するということになります。
場合によっては、別のPCには必要なソフトウェアが入っていないので作業ができないということもありますね。
しかし、100%WEBの世界では、ブラウザがあればすべての作業がWEB上で可能になります。
例えば、メールソフト。
PCにインストールして使うメールソフトの場合、「会社じゃないとメールが送れない」とか「自宅と会社のメールソフトでは受信メールの内容が違ったり、会社で作っておいた送信履歴を自宅では見れない」といったことが起こります。
しかし、WEBメールであれば、どのPCからでも全く同じ状態の受信送信履歴や受信送信設定が可能ですので、どこにいても、メールのやり取りを問題なく行えます。
エクセルやワードのような文書作成ソフトもWEBアプリケーションになれば、インストールできる台数にとらわれること無く、どのPCやスマートフォンやタブレットなどのデバイスに関係なく扱えます。
画像編集ソフトも同じです。
すべてがブラウザ上で出来てしまう世界、そのプラットフォームを作ることがGoogleが目指している「100%WEB」です。
セキュリティや管理コスト
「ブラウザがあれば、どのPCからでも出来るのはたしかに便利だね。でも、PCの中に置いていたものがWEB上に変わるだけで、ちょっと便利になっただけの気がするんだけど・・・」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
一つ、クラウド化でメリットになることは、管理コストを大きく減らせることが挙げられます。
PCのソフトをダウンロードしたり、データをPCに保存していると、メンテナンスが必要になります。
バックアップのために、別途ハードディスクを購入したり、バックアップ用のソフトを購入することも必要になりますよね。
PCを購入した場合、PCの購入価格の倍のメンテナンスコストが実はかかっているという調査結果もあります。
「セキュリティ、保守、バックアップやメンテナンスといった仕事は、専門家に任せたほうが低コストで、しかも安全ですよ」というのがクラウドサービスの特徴でもあります。
基調講演者のシング氏は、「セキュリティーは、データセンタ含めて、高度なセキュティを施しており、すべてのレイヤーにおいてセキュリティを組み込んである。自分でやるよりもGoogleに任せた方が安全」と述べていました。
100%WEBの最大の魅力はリアルタイムコラボレーション
そして、何よりもGoogleが強く主張しているのは、「100%WEB」の世界は、企業の成長を促すものであるということです。
企業の成長には、イノベーションが重要だと言われています。
Googleがフューチャーファンデーションと共同で調べた調査結果によると、「イノベーションとコラボレーションの間に81%の相関性があった。」ということです。
顧客に新しい価値を提供できる企業の多くが社内コラボレーションが活発であるわけです。
社内で様々な情報が共有され、新しいアイデアが生まれていくのでしょう。
もちろん、Googleコラボレーションを重視した組織です。
特に、「リアルタイムコラボレーション」の重要性を強く意識しています。
例えば、Google appsの一つであるGoogleドキュメントのスプレッドシート(エクセルと同類アプリケーション)は、オンラインで複数のユーザーが共同でリアルタイムに編集することが出来ます。
講演中、スプレッドシートのデモが実施され、スプレッドシートを使い、複数のユーザーが同時にデータを入力するところや、タブレットやスマートフォンで閲覧、編集するところ、さらにはGoogleファイナンスの為替レート情報をセルの関数から参照するといった内容でした。
スプレッドシートで共同編集ができるだけでなく、リアルタイムに変化するWEB上のデータ(Googleファイナス)を反映するというGoogleドキュメントの可能性を示したデモでした。
東日本大震災で効果を発揮したリアルタイム共同編集
以前参加したGoogle Appsセミナーでも紹介されていた話ですが、東日本大震災でのGoogle Docs活用例として、保育施設の運営などを手がける株式会社ポピンズコーポレーションの事例も紹介されてました。
震災により携帯電話での安否確認が非常に難しい中、全国で100箇所以上の施設の状況把握のため、被害状況や安否状況、営業状況を書き込めるスプレッドシートを作成し、シートのURLを各施設にメールで通知して書き込んでもらうように依頼したという事例です。
リアルタイムに情報が書き込まれ、即座に全国の状況把握が可能になったとのことでした。
従来のやり方であれば、もしかしたら、各施設にエクセルシートをメール添付で送り、書き込んでもらったものをメールで送り返してもらい、最後に、本部で100以上のエクセルファイルをまとめる必要があったでしょう。
最終的に全国の状況を把握できるのは、次の日になっていたかもしれません。
素早い対応が必要な状況にもかかわらず、手元にある情報は、「過去の情報」なんてことになっていたかもしれませんね。
100%WEBの世界はこれから
まだ、100%WEBの世界は、始まったばかりです。
Google自体もエンジニアは、リナクス環境で開発していたりとGoogle自体が100%WEBになっていません。
ただ、100%WEBを目指しているのは確かです。
情報を一元管理し、より効率的でクリエイティブな仕事を行うために、有効なクラウド化を検討してみてはいかがでしょうか?
リアルタイム配信されたビデオがYoutubeに上がっています。
当日のプログラムの内容がYoutubeに上がっています。
非常に長いので各セッションが始まる時間も書いておきます。
午後のChromebookは、中々興味深いです。
午前
オープニング(13:30)
基調講演(19:40): Nothing but the web (100% ウェブ) Amit Singh
SoftBank Telecom1(04:46): プラチナム スポンサー セッション
Google講演(1:19:20): nnovation @ the pace of 100% web Chris Farinacci
View From The Cloud~CIO パネルディスカッション~(2:02:21)
午後1Google Apps コラボレーション&マネジメント
これは、管理画面の説明などが多いので、まぁ必要ないかもしれませんね
ただ、最後の方に特別ゲストで、CEOのエリック・シュミットが登場するのでよかったら!
「これからは、すべてをクラウドしないとだめよ」って言っていました。
午後2 Google Chromebooks for Business
注目の「Chrome os」で設計されたChromebookのお話です。
新しいPCとはこういうものだ!
という話です。
面白いですよ。
午後3は、App Engineという開発環境の話でしたので省きます。
午後4 Google Enterprise Q&Aセッション
画像利用
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8月 3, 2011 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:Google関連
データに翻弄されないアクセス解析!A&E型のPDCA手法

前回の「4Pから5Cへ、新時代のマーケティング戦略!魚谷雅彦氏の講演要約レポート」でご紹介したデジタルマーケティング&マネジメントサミット2011の要約レポート第二弾です。
とりあえず、今回のサミットの内容の要約レポートとしてビデオを作るのは、今回で終わりにする予定です。
前回のマーケティングコンセプトの話よりも、WEB・ホームページに突っ込んだ講演です。
明日から使えるヒントがありますので、シェアしたいと思いレポートします。
複雑なアクセス解析をシンプルかつ成果重視に!
今回ご紹介する講演は、ビービット株式会社の遠藤直紀氏の「PDCAの成功事例に学ぶ!WEB戦略を成功に導くマネージメント手法」という内容の話です。
個人的にとても気に入った講演でした。
コトラー先生で有名なノースウェスタン大学ケロッグ校のデータマイニング・データベースマーケティング研究の権威エリック・アンダーソン教授からデータ解析のアプローチについて裏をとっている話だったので興味深かったです。
- 長年の研究を振り返ると、データから何かを読み取ろうとしても徒労に終わることが多かった。
- データ解析(Analytics)のみから有益な情報を入手することは稀である。
ということから、アンダーソン教授が提唱している仮説・実験型のデータに基づくマーケティングアプローチの実践手法を紹介してくれました。
仮説・実験型のマーケティング業務のメリットは、
- 簡単で誰にでもできる。経験を蓄積して個人の成長も可能
- シンプルなので、日常業務と平行してもPDCAが回る
講演の要点
- 継続的に成果を上げるには、「分析」型のアクセス解析業務を辞めて、「仮説・実験」型の業務に取り組まないといけない。
- 仮説・実験は、1:目標設定(ビジネスに貢献するゴールを設定する)2:ユーザ定義(出来れば、ペルソナではなく、実在する人物まで定義できれば)3:施策(「仮説」に基づいた施策を高い頻度で打ち続ける。小さな施策でもよいから週次とか日次のレベルで)4:検証(施策の結果だけをみる。細かいアクセスデータはあえて見ない。ビジネスに直結する数字だけをみる。)の順番で実践し、できるだけ高速にこのプロセスを回す。
私個人としては、ビービットさんのやり方を参考に、自分のやりやすい形に調整する事が重要だと思います。
そうでない場合は、ビービットさんのコンサルをうけて、そのままの手法を体得するのが早いでしょうね。
要約ビデオはこちらから
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8月 2, 2011 | コメント/トラックバック(0) |
「新時代のマーケティング」デジタルマーケティングサミット2011
先日、2011年7月15日に日経ビジネス主催で行われた「デジタルマーケティング&マネジメントサミット2011」の要約レポートをご紹介します。
是非、マーケティング戦略に活用して頂ければと思います。
約400名が参加したセミナーでした。
講演者は、
- 日本コカコーラ会長の魚谷雅彦氏
- Googleアジア太平洋地域担当社長のダニエル・アレグレ氏
- さらにはfacebookの次ぎに来ると言われているフォースクエア(foursquare)携帯電話・企業提携部門 副社長 ホルガー・ルドルフ氏
など。
他にも様々なテーマの講演者が多数参加していました。
全てをご紹介するのは、予定しておりませんが、2つのプログラムの要約ビデオレポートをご紹介します。
コカ・コーラ伝説のマーケター
今回ご紹介するのは、基調講演でもあった日本コカ・コーラの会長である魚谷雅彦氏の講演です。
魚谷雅彦氏は、多くのヒット商品を手がけた伝説のマーケターで、「Mr.コカ・コーラ」と呼ばれている方です。
デジタルマーケティング、インターネットマーケティングのセミナーでしたので、「なぜコカ・コーラ?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、マーケティングの重要な考え方は、デジタルだろうがアナログだろうか変わりません。
マーケターである魚谷氏の話は非常に重要なヒントを与えてくれます。
講演の要点
ピーター・ドラッカーが著書で述べている
「企業の目的は顧客の創造である」
さらに続き、
企業の成果をもたらすものは、マーケティングとイノベーションであり、それ以外はコストである。
について言及する。
マーケティングとイノベーションとは以下のとおり。
- マーケティングは、顧客のニーズを探り、顧客が満足する価値を提供する活動
- イノベーションは、新しく顧客が満足する価値を作り出すこと。既存商品の新しい用途を見つけることも含まれる。
よって、企業としてやるべきことは、
利益の追求ではなく、顧客を生み出すことが企業の目的であり、マーケティングは、売り込むことではなく、価値を提供する事です。
ネットの業界でよく見られる、派手なキャッチコピーで初心者を煽って情報商材を販売する方法が本来のマーケティングから乖離していることも理解できるかと思います。
マーケティングのキーワードは、「顧客価値」を作り出すことです。
また、新しいマーケティングの枠組みとして4Pではなく、5Cというコンセプトを述べています。
- Customer Solution(カスタマー・ソリューション)
- Customer Cost(カスタマー・コスト)
- Customer Cummunication(コミュニケーション)
- Customer Convenience(コンビニエンス)
- Collaboration(コラボレーション)
販売の一部としてのマーケティングではなく、経営的、戦略的な位置づけのマーケティングという考え方を意識することが重要です。
私の方で要約した説明ビデオはこちらから
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7月 31, 2011 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:マーケティング


